米国拠点 · 鉄鋼
日本製鉄傘下のUSスチール、モンバレー製鉄所に約30億ドル投資 新熱延ラインを建設
- 企業
- 日本製鉄(USスチール経由)(東京)
- 案件
- モンバレー製鉄所(エドガー・トムソン工場の新熱延ライン)(米ペンシルベニア州ブラドック)
- 金額
- 約30億ドル(6月時点の最大25億ドルから増額)
- 状況
- USスチール取締役会は2026年10月22日、約30億ドルの全額拠出を承認した。許認可の取得後に着工し、2029年後半の生産開始を見込む。年間生産能力は約220万トンから約350万トンに増える。
- 日付
- 2026-06-08
USスチールはピッツバーグ近郊のモンバレー製鉄所に約30億ドルを投じる(26年6月時点の計画は最大25億ドル)。中核はブラドックのエドガー・トムソン工場に新設する熱延ラインで、稼働87年のアービン工場の設備を置き換え、自動車向けなど高付加価値品を狙う。ペンシルベニア州では3年間で最大6,381人の雇用と17億ドルの経済効果を見込む。
ポイント
時事通信によれば当初の公約の2倍超に当たる規模。歴史あるピッツバーグ地域の製鉄所を縮小せず近代化するという、USスチール買収の政治的な約束に応える投資となる。時事通信によれば、日本製鉄が28年までにUSスチールへ110億ドルを投じる公約の中で最大の案件となる。人件費高騰やインフレで6月の計画から増額した。
投資の内容
USスチールは2026年6月8日に計画を発表した。約20億ドルと約25億ドルの2つの案を検討しているという。日本製鉄は買収完了前、モンバレー製鉄所に少なくとも10億ドルを投じると約束していた。26年10月22日にはUSスチールの取締役会が約30億ドルの全額拠出を承認した。
ブラドックのエドガー・トムソン工場に新設する熱延ラインに加え、これを支えるスラグ(鉱さい)のリサイクル設備も整える。ウエストミフリンのアービン工場の旧ラインは廃止する方針だが、時期は示していない。日本製鉄が2028年までにUSスチールの米国事業に約110億ドルを投じるとした計画の一部となる。
日程
Axiosによると、同社は7月にブラドックで開いた住民説明会で、新ラインでの生産開始は2029年までを見込むと説明した。スラグリサイクル設備は2026年9月に着工する予定。熱延ラインの着工日は決まっておらず、大気と水質の許可の取得を進めている。
経済効果
計画とともに公表された経済効果の試算では、雇用や経済効果に加え、州・地方の税収が最大5,800万ドル増えるとした。ミネソタ州アイアンレンジの労組幹部は、モンバレーがUSスチールのミンタック、キータック両鉱山の鉄鉱石ペレットを使っており、需要の下支えになると評価した。
今後の注目点
地元の環境団体からは批判もある。ブリーズ・プロジェクトは石炭に依存する製鉄への投資を続けるものだと指摘した。パブリックソースは、ラインをエドガー・トムソンに移すと主な汚染範囲に住む住民が約5,000人増えるとのカーネギーメロン大学CREATEラボの分析を報じた。今後は許認可の行方が焦点となる。
出典
Kakehashi M&A News トップ