買収 · 金属リサイクル
豊田通商、米オレゴン州の金属リサイクル大手ラディウスを13億4,000万ドルで買収へ
- 買い手
- 豊田通商(豊田通商アメリカ経由)(名古屋)
- 対象
- ラディウス・リサイクリング(米オレゴン州ポートランド)
- 金額
- 株式取得額約9億700万ドル(約1,344億円、1株30ドル)、企業価値約13億4,000万ドル
- 状況
- 2025年7月10日(米国時間)に完了。
- 日付
- 2025-03-13
豊田通商は米子会社を通じた逆三角合併で、ナスダック上場で北米有数の鉄・非鉄金属リサイクル企業ラディウス・リサイクリングを買収することで合意した。1株30ドルを現金で支払い、株式価値は約9億700万ドル(約1,344億円)、企業価値は約13億4,000万ドルとなる。ラディウスはポートランドの本社を維持する。
ポイント
再生鉄・金属は自動車メーカーの脱炭素目標の要で、豊田通商は北米でのスクラップ調達と加工能力を手に入れる。関税で現地調達の価値が高まる中、同社の資源循環戦略を米国に広げる案件だ。
取引の内容
1株30ドルの買収価格は、契約締結前日の2025年3月12日の終値に対し約115%、直近90日間の出来高加重平均株価に対し約102%のプレミアムとなる。発表後の3月14日、ラディウス株は米市場の取引開始前に100%を超えて上昇した。
ラディウス側はゴールドマン・サックスが主幹事の財務アドバイザーとして公正性意見を提出し、JPモルガンが共同アドバイザー、シンプソン・サッチャー・アンド・バートレットが法律顧問を務めた。豊田通商側はみずほ証券が財務アドバイザー、ホワイト・アンド・ケースが法律顧問。合併契約では、一定の場合にラディウスが約2,720万ドルの解約金を支払うと定めた。
ラディウス・リサイクリングについて
ラディウスは旧社名をシュニッツァー・スチール・インダストリーズといい、金属スクラップと使用済み自動車のリサイクル、鋼材製造を手がける。買収合意時点で米国25州、プエルトリコ、カナダ西部に54の事業所を持ち、セルフサービス型中古部品店「ピック・ン・プル」を50店展開していた。オレゴン州には電炉製鉄所も保有する。
売却前の業績は厳しかった。2024年8月期の売上高は約5%減の約27億4,000万ドル、調整後EBITDAは前期の1億4,400万ドルから2,900万ドルに縮小し、2億1,600万ドルののれん減損が響いて2億6,600万ドルの最終赤字を計上した。
買収の狙い
豊田通商は、ラディウスの回収・加工網と、自社が持つ再生資源を軸とした循環型サプライチェーンの構築機能を組み合わせ、北米で高品質な再生資源の供給体制を強化し、製造業の脱炭素化を後押しするとしている。ラディウスは、買収後も経営陣、事業所、戦略、ブランドを維持すると説明した。
承認と日程
2025年5月に米独占禁止法(HSR法)上の待機期間が終了し、6月5日の臨時株主総会でラディウス株主が合併を承認した。両社は対米外国投資委員会(CFIUS)にも共同で任意届け出を行い、7月3日に承認取得の通知を受けた。規制当局の承認がそろったことで7月10日に合併が完了し、ラディウスはナスダック上場を廃止した。
出典
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