米国拠点 · 医薬品
武田薬品、米国事業に5年間で300億ドルを投資へ
- 企業
- 武田薬品工業(東京)
- 案件
- 米国の製造・研究開発拠点(米国)
- 金額
- 5年間で300億ドル
- 状況
- 発表済み。5年間かけて投資する計画。
- 日付
- 2025-05-08
武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は通期決算の説明会で、今後5年間に米国事業へ300億ドルを投資する計画を明らかにした。米国での研究開発費や、効率を高めるための製造拠点の改修も含む。同社は22の自社工場のうち20拠点から米国に供給しており、そのうち7拠点が米国内にある。ウェバー氏は、関税への対応ではなく従来の戦略の延長だと説明した。
ポイント
売上高の約半分を米国が占める武田にとって、トランプ政権の関税や薬価引き下げの圧力のもとで巨額の対米投資を表明した欧米大手と足並みをそろえる形となる。米国の主力製品「エンタイビオ」はすでに全量が米国産で、関税の影響は限られる。
計画の内容
ウェバー氏が数字を示したのは、2025年3月期(2024年度)決算の説明会だった。同社は以前から米国に大きく投資しており、戦略の転換ではないと述べた。拠点別や年度別、研究開発と製造の内訳は示さなかった。
製造面では、新たな生産網をつくるのではなく、既存工場の効率と生産性を最高水準に引き上げることが目的だという。米国向けに供給する拠点は、米国内の7工場のほか欧州、日本、シンガポールにある。ウェバー氏によると、生産の約2割は製造受託会社(CMO)が担い、CMO向け支出の約7割は米国の企業に向かっている。
薬価をめぐる姿勢
同じ説明会で武田は、トランプ大統領が掲げる「最恵国待遇(MFN)」型の薬価案に反対した。当時米国事業部門のトップだったジュリー・キム氏は、MFNは価格統制だとし、メディケイドに適用されれば業界への影響は10年間で最大1兆ドルに達しうると述べた。政府から直接の接触はまだないとも語った。
既存の米国拠点
今回の計画は既存の米国投資の上に積み上がる。武田は2024年6月、ロサンゼルス拠点で血漿分画製剤の生産能力を拡大するため2億3,000万ドルを投じると発表した。同拠点は分画能力で同社最大の工場で、年間最大200万リットルの能力と125人超の雇用を加える。
今後の注目点
説明会で薬価案に反対したジュリー・キム氏は、2025年にCEO就任予定者となり、2026年6月にCEOに就いた。5年間の投資をどう配分し、拠点別の詳細を示すかどうかは、キム体制の下で決まることになる。
出典
Kakehashi M&A News トップ