買収 · 建設資材
太平洋セメント傘下のカルポートランド、バルカンのカリフォルニア生コン事業を7億1,200万ドルで買収へ
- 買い手
- 太平洋セメント(カルポートランド経由)(東京)
- 対象
- バルカン・マテリアルズのカリフォルニア州生コン事業(米カリフォルニア州)
- 金額
- 7億1,200万ドル
- 状況
- 2026年6月に取得完了。米司法省の求めで生コン工場3カ所を売却。
- 日付
- 2025-10-28
太平洋セメントの米子会社カルポートランドは、米バルカン・マテリアルズのカリフォルニア州の生コンクリート事業を現金7億1,200万ドルで買収することで合意した。対象は生コン工場41カ所とセメントターミナル2カ所で、2024年の売上高は約5億2,400万ドル。
ポイント
カルポートランドがセメントを生産する米西海岸で川下の生コン事業を取り込み、垂直統合を深める。米国のインフラ投資を背景に、カリフォルニアの需要はグループの成長の柱となる。
取引の内容
カルポートランドは事業を資産買収の形で取得し、対価は現金で支払った。対象の工場はサンフランシスコ湾岸地域とサンディエゴにある。2025年10月28日の発表時点では同年12月までの完了を見込んでいたが、独占禁止法の審査を経て、両社が完了を発表したのは2026年6月8日だった。
買収の狙い
太平洋セメントは、今回の買収でカルポートランドがこれまで手薄だった北カリフォルニアに拠点を得て、南カリフォルニアの基盤も強まると説明した。米国事業の拡大とサプライチェーン強化を掲げる2024〜26年度の中期経営計画に沿うもので、AI向けデータセンター、電力インフラ、住宅の需要を挙げた。
同社の米国事業は、1990年にカリフォルニア・ポルトランド・セメント(現カルポートランド)を買収したことに始まる。2022年3月には、カリフォルニア州のセメント工場などを2億5,000万ドルで買収すると発表していた。
独禁法審査
2026年5月、米司法省反トラスト局とカリフォルニア州司法長官は、ワシントンの連邦地裁に訴えを起こした。両社が統合すると、サンディエゴ郡で最大級の生コン供給者となり、合計シェアが50%を超えると指摘した。訴えと同時に提出された和解案は、太平洋セメントとカルポートランドに対し、エスコンディードとオーシャンサイドの工場、レイクサイド工場の賃借権、生コン車15台、関連する許認可や記録の売却を求める。売却先はホリデイ・ロックか、政府が認める別の買い手とされた。
和解案は60日間の意見募集のため連邦官報に掲載され、最終的には裁判所の承認が必要となる。
売り手側の動き
バルカンにとっては、カリフォルニアの生コン事業からの撤退となる。同社は6月8日の同じ発表で、ブラナン・サンド&グラベルのコロラド州南部とダラス・フォートワース地域の事業を取得したと明らかにした。コロラド州ラマーの鉄道接続の採石場を含み、骨材を軸にした成長戦略に沿うと説明した。業界誌ロック・プロダクツは、撤退によりバルカンの生コン事業はほぼバージニア州に限られると指摘した。
出典
Kakehashi M&A News トップ