買収 · タイヤ
住友ゴム、米グッドイヤーから北米・欧州などの「ダンロップ」商標権を取得
- 買い手
- 住友ゴム工業(神戸)
- 対象
- グッドイヤー(欧州・北米・オセアニアの「ダンロップ」商標権)(米オハイオ州アクロン)
- 金額
- 商標権の取得価額5億2,600万ドル(約826億円)。グッドイヤーは総額7億100万ドルと発表
- 状況
- 2025年5月7日に完了。
- 日付
- 2025-01-07
住友ゴム工業は米グッドイヤーから、欧州・北米・オセアニアにおける四輪車用タイヤの「DUNLOP」商標権などを5億2,600万ドル(約826億円)で取得することで合意した。別途、販売移行に伴う費用約1億500万ドルを支払い、棚卸資産は別に精算する。総額を7億100万ドルとしたグッドイヤーは、欧州でのトラック用タイヤの長期ライセンスと欧州・オセアニアの二輪車用タイヤの権利を保持する。住友ゴムは主要市場のダンロップブランドを手元に取り戻すことになる。
ポイント
住友ゴムは米国などでファルケンブランドで販売してきたが、商標権の取得でダンロップを世界共通のプレミアムブランドとして展開できる。グッドイヤーにとっては経営再建に向けた資金確保となる。
取引の内容
グッドイヤーの説明では、発表時の総額7億100万ドルの内訳は、ダンロップブランドと関連知的財産の5億2,600万ドル、前払いの移行支援費用1億500万ドル、在庫代金(同社見積もりで約7,000万ドル、事後精算あり)である。住友ゴムの開示でも、移行支援費用と初期在庫の買い取り代金はクロージング時に別途支払うとしていた。グッドイヤーの財務アドバイザーはゴールドマン・サックス(主幹)とバークレイズ、法律顧問はクリアリー・ゴットリーブ・スティーン・アンド・ハミルトンが務めた。
グッドイヤーは移行期間のライセンスに基づき、欧州でダンロップの乗用車用タイヤの生産を続ける。期間は双方の合意で早期に終了しない限り2026年12月31日まで。その後も5年間、引き取り契約に基づき年間450万本以上のダンロップタイヤを住友ゴムに供給する。
完了と会計処理
グッドイヤーの2025年4〜6月期の四半期報告書(10-Q)によると、クロージング時に受け取った現金は総額7億3,500万ドルだった。売却した純資産1億3,300万ドルと取引費用2,600万ドルを差し引き、税引き前で3億8,500万ドルの売却益(見積もり)を計上した。移行支援費用の1億500万ドルと欧州の在庫に配分した8,600万ドルは繰延収益とした。売却益により同期の純利益は2億5,400万ドルとなったが、調整後では4,800万ドルの赤字だった。同社は売却代金を債務削減と経営改革計画「Goodyear Forward」に充てるとしている。
経緯
住友ゴムとグッドイヤーは1999年から欧州と北米で製造・販売の合弁事業を展開してきた。グッドイヤーは2014年2月に提携解消を申し入れ、国際商業会議所に仲裁を申し立てた。住友ゴムは2015年6月4日に提携解消を発表し、グッドイヤーは米国、カナダ、メキシコと欧州で、補修用タイヤなどのダンロップの販売権を保持していた。
戦略と今後
住友ゴムはダンロップを基幹ブランドに据え、ファルケンを第2層の最上位ブランドと位置づける。北米ではファルケンで築いた全国小売チェーンと1万8,000店の販売網を使い、路面に応じてゴムの性質が変わる「アクティブトレッド」搭載品を含むダンロップの乗用車用タイヤを投入する。長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」の2025〜27年度の段階では、タイヤのプレミアム化を柱としている。
米国子会社のスミトモ・ラバー・ノースアメリカは2026年1月、ダンロップ・タイヤ・ノースアメリカに社名を変えた。新体制で最初のダンロップ製品はツーリングタイヤ「ブルーレスポンスA/S」で、業界紙によると2026年下期にサイズを44から80に広げ、2026年末までに2つ目の製品「グラントレックHLX」を発売する計画だ。
出典
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