買収 · 医薬品
塩野義製薬、米テキサスの希少疾患薬メーカー・イントラバイオを20億ドルで買収へ
- 買い手
- 塩野義製薬(大阪)
- 対象
- イントラバイオ(米テキサス州オースティン)
- 金額
- 20億ドル(約3,156億円)
- 状況
- 発表済み。2026年11〜12月に完了予定。
- 日付
- 2026-10-05
塩野義製薬は米子会社Shionogi Inc.を通じ、テキサス州オースティンのイントラバイオの全株式を取得する。同社が販売する神経系希少疾患薬「アクニューサ」の知的財産とグローバル販売権を獲得する。イントラバイオは2015年設立で、2025年の売上高は約6,786万ドル。完了には独占禁止法上の待機期間の経過や各国当局の承認が必要となる。
ポイント
塩野義は感染症に次ぐ柱として希少疾患領域を強化しており、本件はパイプラインではなく既に売上のある製品の取得となる。2025年以降の買収で築いた米国の販売網にも製品を上乗せできる。年内完了に向けては米独禁法(HSR法)の待機期間が最大の関門。
取引の内容
塩野義製薬は2026年10月5日に契約を発表した。米ニュージャージー州に本社を置く米子会社Shionogi Inc.がイントラバイオの発行済み全株式を取得し、株主に一時金として現金20億ドルを支払う。イントラバイオはShionogi Inc.の完全子会社となる。取得する権利は、「アクニューサ」の製品名で販売するレバセチルロイシンと関連化合物の全世界での権利である。
塩野義側の財務アドバイザーはゴールドマン・サックス、法務アドバイザーはクリアリー・ゴットリーブ・スティーン・アンド・ハミルトン。イントラバイオ側は財務面でセンタービュー・パートナーズとモルガン・スタンレー、法務面でカークランド・アンド・エリスとDLAパイパーが助言した。
イントラバイオについて
イントラバイオは希少な神経変性疾患や遺伝性神経疾患を対象とする非上場企業である。アクニューサは2024年9月、ニーマン・ピック病C型の神経症状を対象に米国で承認を取得し、欧州連合(EU)でも同疾患向けに承認されている。
発売後の売上は急拡大しており、2025年の売上高は6,790万ドルと、2024年の350万ドルから大きく伸びた。買収発表の3週間前に当たる2026年9月18日には、米食品医薬品局(FDA)が体重15キロ以上の毛細血管拡張性運動失調症(A-T)患者の運動失調への適応拡大を承認した。同疾患の運動失調に対する初の承認薬となる。
買収の狙い
塩野義は田辺ファーマからALS治療薬「ラジカヴァ」(エダラボン)の全世界の権利を一時金25億ドルで取得しており、これもShionogi Inc.を通じた取引だった。同社は2026年4月初め、主要国での権利移管を完了したと発表した。同製品で年約7億ドルの世界売上を見込み、2026年度から利益に寄与するとしている。田辺ファーマアメリカから100人超の社員が移籍した。
アクニューサの取得により、ラジカヴァを軸に整えた米国の希少疾患チームは、適応拡大を受けたばかりの神経領域の2製品目を手にする。2件とも、初期段階の導入契約ではなく販売中の製品を現金で取得する形となった。
承認と日程
取引完了は2026年11〜12月を予定する。各国競争法に基づく待機期間の満了や規制当局の承認など、通常の完了条件が付く。2026年10月中旬時点で日程の変更は報じられていない。
出典
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