買収 · 工作機械
芝浦機械、米超精密工作機械のムーア・ナノテクノロジーを約240億円で買収へ
- 買い手
- 芝浦機械(東京)
- 対象
- ムーア・ナノテクノロジー・システムズ(米ニューハンプシャー州キーン)
- 金額
- 約240億円(1億5,000万ドル)
- 状況
- 発表済み。2026年後半に完了予定。
- 日付
- 2026-05-18
芝浦機械は米子会社を通じ、光学・反射部品向け超精密工作機械を手掛ける米ニューハンプシャー州のムーア・ナノテクノロジー・システムズの全持ち分を取得する。ムーアは30カ国以上で1,000台超の納入実績を持ち、光学、航空宇宙、防衛、医療、自動車向けに展開する。芝浦機械はムーアの販売・サービス網を活用して北米・欧州で研削盤の販売を伸ばし、開発の効率化やコスト削減も図る。
ポイント
中国関連需要への依存を下げたい芝浦機械にとって、米国の高精度光学や防衛サプライチェーンへの足掛かりとなる。
取引の内容
芝浦機械は2026年5月18日の取締役会で取得を決議した。約1億5,000万ドルは企業価値ベースの金額で、最終的な取得価額は取得日時点の負債や手元現金によって変わる。米子会社を通じてムーア・ナノテクノロジー・システムズ(LLC)の持ち分100%を取得する。
芝浦機械の法務アドバイザーはコヴィントン・アンド・バーリング。ムーア側は財務をフーリハン・ローキー、法務をDLAパイパーが担当した。
ムーア・ナノテクノロジーについて
ムーア・ナノテクノロジー(ナノテック)は約30年前、レン・シャルー氏とニューマン・マーシリアス3世氏がムーア・ツール社の独立子会社として設立した。買収前は非上場企業で、発表では共同オーナーのニューマン・マーシリアス4世氏とマーク・ブームガーデン最高経営責任者(CEO)がコメントを寄せた。
M&A Onlineが伝えた適時開示によると、ムーアの2025年12月期の売上高は56億4,000万円、営業損益は6億7,100万円の赤字、純資産は81億7,000万円。企業価値は売上高の4倍強にあたる。
買収の狙い
芝浦機械は本件を「中計2026」に基づく事業ポートフォリオ変革の一環と位置づける。工作機械セグメントの超精密加工機事業では、中国以外の北米・欧州市場の開拓を進めてきた。ムーアの販売・サービス網を使って得意の超精密研削盤を欧米で拡販し、米国でのテクニカルセンター機能も広げる計画だ。
芝浦機械は近年M&Aを重ねている。独射出成形機メーカーLWBシュタインルの株式80%を取得し、2025年11月28日に完了。2024年にはポッカマシンも買収した。
承認と日程
完了には規制当局の承認などが必要。フーリハン・ローキーは2026年7〜9月期の完了を見込むとしていたが、芝浦機械の開示は2026年後半としている。10月17日時点で完了の発表は確認できていない。
出典
Kakehashi M&A News トップ