買収 · 通信ネットワークソフト
楽天、携帯網ソフトの米アルティオスターを完全子会社化 企業価値10億ドル超
- 買い手
- 楽天グループ(東京)
- 対象
- アルティオスター・ネットワークス(残りの株式)(米マサチューセッツ州テュークスベリー)
- 金額
- 未保有株の取得に約3億7,000万ドル(約400億円)。企業価値は10億ドル超
- 状況
- 2021年9月30日までに完了予定とした。アルティオスターは楽天シンフォニーの一部となった。
- 日付
- 2021-08-04
楽天グループは、国内の楽天モバイルの無線ネットワークを動かすソフトを手がける米マサチューセッツ州のアルティオスター・ネットワークスの残りの株式を取得することで合意した。楽天は2019年に出資し、持ち分法適用会社としていた。クアルコム・ベンチャーズやテレフォニカなど他の株主から約3億7,000万ドルで株式を取得し、企業価値は10億ドル超と評価された。
ポイント
アルティオスターを傘下に収めたことで、楽天はクラウド型の「オープンRAN」携帯網技術を自社で使うだけでなく、海外の通信会社に販売できるようになった。
取引の内容
楽天グループは2021年8月4日、アルティオスターの未保有株をすべて取得すると発表した。英語の発表では価格を示さなかったが、国内報道やM&A Onlineによると追加取得額は約3億7,000万ドル(約400億円)。楽天はアルティオスターの企業価値を10億ドル超とした。売り手にはクアルコム・ベンチャーズやテレフォニカのベンチャー部門が含まれる。
アルティオスターについて
2011年にボストン近郊で設立されたアルティオスターは、携帯網の無線部分を、エリクソンやノキアなどの専用機器ではなく、クラウド上の汎用サーバーで動かすソフトを手がける。この方式は「オープンRAN」と呼ばれる。楽天モバイルは2020年に始めた国内ネットワーク全体でアルティオスターのソフトを使っていた。
出資の経緯
楽天は2019年に約1億1,400万ドルを出資し、2020年にはテック・マヒンドラが持つ17.5%を4,500万ドルで買い取り筆頭株主となっていた。今回の完全子会社化はその最終段階にあたる。
戦略
楽天は自社の携帯網のノウハウを他の通信会社に販売することを目指していた。買収直後にアルティオスターなどのネットワーク部門をまとめた楽天シンフォニーを設立し、オープンRANのシステムを海外に販売している。ドイツの1&1などが顧客となった。
今後の注目点
楽天シンフォニーが大手通信会社の受注をさらに獲得できるか。また従来型の通信機器と比べ、大手通信会社がオープンRANをどこまで採用するか。
出典
Kakehashi M&A News トップ