政策 · 鉄鋼
バイデン大統領、日本製鉄のUSスチール買収を禁止 両社は命令の取り消し求め提訴
- 発表元
- 日本製鉄(東京)
- 対象
- USスチール(米ペンシルベニア州ピッツバーグ)
- 金額
- 141億ドル(1株55ドル)
- 状況
- 2025年1月3日に大統領令で禁止され、両社は1月6日に提訴した。買収はその後承認され、2025年6月に完了した。
- 日付
- 2025-01-03
バイデン大統領は国家安全保障を理由に、日本製鉄によるUSスチール買収を禁止する命令を出した。両社は共同声明で決定を政治的と批判し、主要経営陣を米国籍とすることや一部製鉄所の生産能力を10年間削減しないことなどの措置、モンバレー製鉄所への少なくとも10億ドルを含む27億ドルの投資計画を提示していたと主張した。両社は1月6日、命令とCFIUSの審査の無効を求めて米政府を提訴した。
ポイント
同盟国企業による対米投資を大統領が阻止した象徴的な事例で、発足を控えたトランプ政権が戦略産業への日本からの投資をどう扱うかの試金石となった。
禁止命令
CFIUSは安全保障上のリスクで意見がまとまらず勧告を出さなかったため、判断はバイデン氏に委ねられた。命令は両社に30日以内の取引解消を求めた。イエレン財務長官は、省庁横断の委員会が十分な分析を行ったと述べた。USスチール株は下落し、日本製鉄の提示額55ドルを大きく下回った。
2件の訴訟
1件目はワシントンの連邦控訴裁への申し立てで、適正手続きの権利が侵害された、決定は政治的理由による、CFIUSは安全保障の観点で審査していないと主張し、CFIUSによる再審査を求めた。両社は2025年2月3日に準備書面を提出し、書面の提出は3月17日までに終える迅速な日程が組まれた。
2件目はペンシルベニア州西部の連邦地裁に起こしたもので、米クリーブランド・クリフスと同社のローレンソ・ゴンカルベスCEO、USWのデビッド・マッコール会長を相手取った。3者が違法に連携して買収を阻み、その狙いの一つはクリフス以外がUSスチールを買えないようにすることだったと訴えた。いずれも原告側の主張である。
その後の展開
CFIUSはその後、取引断念の期限を2025年6月18日まで延長し、案件はトランプ政権の発足後も存続した。トランプ政権下での再審査と、その後の承認・買収完了は別項で扱う。
出典
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