買収 · エネルギー(天然ガス)
三菱商事、米ヘインズビルのシェールガス生産会社エーソンを75億ドルで買収
- 買い手
- 三菱商事(東京)
- 対象
- エーソン(ヘインズビル・シェールガス事業)(米テキサス州・ルイジアナ州)
- 金額
- 約75億3,000万ドル(持分取得約52億ドル、純有利子負債約23億3,000万ドルを含む)
- 状況
- 2026年7月14日(米国時間)に取得完了。
- 日付
- 2026-01-16
三菱商事は、テキサス州とルイジアナ州にまたがるヘインズビル・シェール層でガスを生産する非上場のエーソンの全持分を、オンタリオ州教職員年金基金やレッドバード・キャピタルなどから取得することで合意した。持分の取得額は約52億ドルで、約23億ドルの純有利子負債も引き継ぐ。生産量は日量約21億立方フィートで、LNG換算で年約1,500万トンに相当する。
ポイント
三菱商事にとって米シェールガス上流事業への本格参入となり、キャメロンLNGなどメキシコ湾岸の輸出基地や日本を含むアジア向けの調達源を自ら確保する。日米関税合意でエネルギー分野が重視される中、日本企業による米エネルギー資産の買収として最大級の案件となった。
取引の内容
三菱商事はヘインズビル事業を保有するエーソンIIIとエーソン・ユナイテッドの2社の持分を100%取得した。国内報道によると、持分の取得額は約8,000億円、引き継ぐ負債を含めると約1兆2,000億円で、同社として過去最大の買収となる。
2026年1月16日の発表時点では、2026年4〜6月(同社の第1四半期)の完了を見込んでいたが、実際の完了は米国時間7月14日とやや遅れた。売り手のエーソン側の法務アドバイザーはレイサム・アンド・ワトキンスで、独占禁止法や対米外国投資委員会(CFIUS)の審査対応なども担当した。
完了後の体制
生産事業は、三菱商事の完全子会社として新設された事業会社アダマス・エナジーが運営する。社長兼最高経営責任者(CEO)にはゴードン・ハドルストン氏が就いた。
アルバート・ハドルストン氏が創業したエーソン・エナジー・マネジメントは、エネルギー分野に特化した投資運用会社へ転換を進める。同社は三菱商事に売却した資産の25%の非操業権益を取得する意向を示しており、資金調達や当局の承認などが条件となる。国内報道は、創業家が最大25%を買い戻せる権利と伝えている。
買収の狙い
三菱商事は本件を、生産から米国内でのガス販売、輸出までを手掛ける米シェールガス事業への参入と位置付ける。同社はルイジアナ州のキャメロンLNGで、委託加工契約に基づく液化能力の権利を既に持つ。
中西勝也社長は会見で、コスト競争力のある上流のガスを起点に、どの市場に向けるかを考えると述べ、需要家に示せる選択肢が広がるとの考えを示した。AIやデータセンターによる米国の電力需要増を背景に挙げる報道もある。エーソンはガス処理設備などのインフラを自社で抱え、コスト競争力を高めてきたとされる。
出典
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