政策 · エネルギー(原子力・ガス火力)
対米投資第2弾は最大730億ドル 日立・GEの小型原発が柱
- 発表元
- 日本政府(東京)
- 対象
- 米商務省(米テネシー州・アラバマ州・ペンシルベニア州・テキサス州)
- 金額
- 最大730億ドル
- 状況
- トランプ大統領と高市首相の首脳会談に合わせて発表。ガス火力2案件は2026年8月に最終契約と初回の資金調達に至った。小型原子炉の建設地は未公表。
- 日付
- 2026-03-19
高市早苗首相の訪米に合わせ、日米両政府は5,500億ドルの対米投資の第2弾案件を発表した。GEベルノバと日立製作所の合弁会社が手がけるテネシー州とアラバマ州の小型モジュール炉(SMR)建設に最大400億ドル、ペンシルベニア州(最大170億ドル)とテキサス州(最大160億ドル)のガス火力発電所が並ぶ。ガス火力の電力の一部は併設するデータセンターに供給する。
ポイント
日立の合弁会社が加わり、日本企業が資金提供にとどまらず事業の担い手としても関わる形になった。第1弾と合わせた案件総額は約1,090億ドルで公約の約2割に達し、AI向け電源への偏りが鮮明だ。
合意の内容
米商務省は2026年3月19日、トランプ大統領と高市首相のホワイトハウスでの会談に合わせて3案件を発表した。最大730億ドルの総額について、国内報道は約11兆5,000億円と伝えた。2月に発表した第1弾(約360億ドル)の約2倍の規模となる。
原子力案件は、GEベルノバ日立ニュークリアエナジーの出力30万キロワット級の沸騰水型炉「BWRX-300」をテネシー、アラバマ両州の未公表の用地に建設するもので、合計出力は約300万キロワットとなる。日立は同合弁の少数株主である。テネシー州ではテネシー川流域開発公社(TVA)がオークリッジのクリンチリバー用地でのBWRX-300建設を米原子力規制委員会(NRC)に申請済みだが、今回の発表は同計画との関係に触れていない。運転開始時期も示されていない。
ガス火力案件
2件のガス火力はいずれも米ネクステラ・エナジーが開発する。ペンシルベニア州南西部の「サウスモン」は出力430万キロワットで、PJM市場に電力を供給し、マーセラス、ユーティカ両シェールのガスを使う。テキサス州アンダーソン郡の「プロジェクト・アンダーソン」は出力520万キロワットで、ERCOT市場向け。大口の産業需要家への供給を想定する。
ネクステラは2026年8月12日、両案件(合計最大1,000万キロワット)について米商務省および日本政府と最終契約を結び、第1段階として33億ドルの資金拠出が決まったと発表した。資金はタービンなど長納期機器の前払いや、設計・建設業者の選定に充てる。2028年末にも一部が発電を始め、2032年の全面完成を目指す。許認可の取得が前提となる。
資金の流れ
2025年9月の覚書では、米商務長官が委員長を務める投資委員会が案件を選び、案件ごとに特別目的会社(SPV)を設ける。日本側の資金は国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)が中心となり、出資ではなく融資や保証が大半を占める。日本が投資額を回収するまでは収益を分け合い、回収後は米側が9割を受け取る。
今後の注目点
SMRは用地や事業主体、基数がまだ明らかになっておらず、BWRX-300は米国の送電網でまだ稼働していない。ガス火力は最終契約に進んだが、許認可の取得が残る。
出典
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