政策 · 投資政策
トランプ氏が対日合意の大統領令に署名、5,500億ドル投資の覚書も締結
- 発表元
- 日本政府(東京)
- 対象
- 米国政府(米ワシントン)
- 金額
- 5,500億ドル
- 状況
- 2025年9月4日に署名。投資期間は2029年1月19日まで。2026年2月と3月に最初の案件が選ばれ、国際協力銀行(JBIC)は同年5月に融資を始めた。
- 日付
- 2025-09-04
トランプ大統領は7月の枠組み合意を実施する大統領令に署名し、自動車・部品を含む日本からの輸入品の大半の関税を15%とした。両政府は5,500億ドルの投資に関する覚書にも署名した。覚書では、米商務長官が委員長を務める委員会が案件を推薦し、大統領が選定する。日本は選定の通知から45営業日以内に資金を拠出する。収益は一定額に達するまで日米で折半し、その後は米国9割、日本1割で配分する。
ポイント
覚書は日本の公的資金がどのように米国の案件へ流れ、誰が決めるかを定めた。偏った収益配分と、拠出を断った場合の関税の可能性は、その後の個別案件を左右する要素となった。
合意の内容
選定された案件ごとに米国に特別目的会社(SPV)を設け、米国または米国が指名する者が運営する。米戦略国際問題研究所(CSIS)や韓国経済研究所(KEI)の分析によれば、SPVは米国の税を差し引いたキャッシュフローを、日本の「みなし配分額」に達するまで日米で折半し、その後は米国に9割、日本に1割を配分する。米ハドソン研究所の論文は、日本が事業期間を通じて1割を受け取り続ける点を挙げ、出資というより融資に近い立場だと指摘した。
米側の推薦に先立ち、国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)も参加する見通しの日米協議委員会が案件を検討する。
日本は案件の全部または一部への拠出を断ることができる。CSISによると、その場合は日本が受け取るはずの配分を失い、米国は大統領が決める水準で日本製品の関税を引き上げることができる。投資はトランプ氏の2期目が終わる2029年1月19日までに実行する必要がある。
資金の流れ
資金の性格について日米の説明は食い違った。米側は現金の拠出と位置づけたのに対し、日本側は政府系金融機関による直接融資、融資保証、信用補完を組み合わせたものと説明した。ジャパンタイムズによると、赤沢亮正経済再生担当相は2025年7月、5,500億ドルのうち出資は1〜2%程度にとどまるとの見通しを示していた。
その後の動き
最初の2弾の案件は2026年2月と3月に発表され、JBICは同年5月に融資を始めた。各弾の詳細は別項で扱う。
出典
Kakehashi M&A News トップ