政策 · エネルギー・産業
日米、5,500億ドル対米投資の第1弾3案件を決定 総額360億ドル
- 発表元
- 日本政府(国際協力銀行、日本貿易保険)(東京)
- 対象
- 米商務省(米オハイオ州・テキサス州・ジョージア州)
- 金額
- 360億ドル
- 状況
- トランプ大統領が承認。3案件すべてについて2026年5月までにJBIC主導の融資契約を締結し、オハイオ州のガス火力案件は同年9月に融資枠を拡大した。
- 日付
- 2026-02-17
トランプ大統領は、日本の5,500億ドルの対米投資の枠組みで最初に資金を出す案件として、オハイオ州の出力920万キロワットのガス火力発電所(約330億ドル)、テキサス州沖の深水原油輸出ターミナル(約21億ドル)、工業用合成ダイヤモンド工場(約6億ドル)の3件を承認した。報道によると、オハイオの案件はソフトバンクグループ傘下のSBエナジー、テキサスはセンチネル・ミッドストリーム、合成ダイヤはデビアス傘下エレメント・シックスのジョージア州工場が担う。資金は出資と国際協力銀行(JBIC)の融資、日本貿易保険(NEXI)の保証などを組み合わせる見通し。
ポイント
2025年7月の関税合意で対日関税が15%に下がって以来初の具体的な案件で、5,500億ドルという数字が実際の事業に落とし込まれ始めた。AIデータセンター向けのガス火力が中心で、米政権が日本の資金をどこに向けたいかがはっきりした。
合意の内容
3案件は2026年2月17日(米東部時間)に発表され、翌18日に日米両政府が戦略的投資イニシアティブの「第一陣」として確認した。日本政府の発表では、ガス火力発電が総額約333億ドル、原油輸出インフラが約21億ドル、人工ダイヤモンド製造が約6億ドル。
枠組みの条件では、日本が投資を回収するまで利益を日米で折半し、回収後は9割が米国に配分される。米ハドソン研究所の分析によると、案件ごとに特別目的会社(SPV)を設け、米国またはその指名者が運営する。
各案件と日本企業
ラトニック商務長官は、オハイオ州ポーツマス近郊に建てる出力920万キロワットの発電所について、史上最大のガス火力発電施設になると述べた。日本政府は関連機器の供給などに関心を示す企業として東芝、日立製作所、三菱電機、ソフトバンクグループなどを挙げ、時事通信は少なくとも16社が参画に関心を示していると報じた。
原油案件はセンチネル・ミッドストリームが開発する深水原油輸出ターミナル「テキサス・ガルフリンク」で、商船三井、日本製鉄、JFEスチールなどが機器供給に関心を示した。エレメント・シックスが運営するジョージア州の人工ダイヤ砥粒工場では、旭ダイヤモンド工業やノリタケなど日本の工具メーカーが製品の購入に関心を示している。ラトニック氏は米国の人工ダイヤ砥粒需要をすべて国内生産で賄えると述べた。米国は現在、主に中国に依存している。発表時点でジョージア州内の立地は明らかにされていない。
資金の流れ
国際協力銀行(JBIC)は2026年4月17日、自ら出資する米国法人ジャパン・インベスト3(JI3)とオハイオのガス火力案件向けに約6億3,000万ドルの貸付契約を結んだ。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行との協調融資の総額は約18億8,500万ドルで、民間分には日本貿易保険(NEXI)の保険が付く。JBICは5月1日、第一陣3案件への融資が計約22億ドルになったと発表した。
JBICは2026年9月25日、JI3への貸付限度額を約19億7,600万ドルに引き上げた。オハイオ案件の協調融資総額は約59億1,700万ドルとなった。
その後の動き
第2弾は2026年3月19日に発表された。JBICは2026年8月、ペンシルベニア州とテキサス州のガス火力案件への出融資を発表し、第2弾向けの約46億1,000万ドルの協調融資にはシティグループとJPモルガン・チェースが加わった。米政府はオハイオの発電所の燃料調達、送電網への接続、許認可、建設日程を明らかにしていない。
出典
Kakehashi M&A News トップ