米国拠点 · 送配電
日立エナジー、米ミシシッピ州に5億2,800万ドルの変圧器新工場
- 企業
- 日立製作所(日立エナジー経由)
- 案件
- ミシシッピ新工場(米ミシシッピ州ギャルマン)
- 金額
- 5億2,800万ドル
- 状況
- 2026年末に着工、2029年に生産開始予定。
- 日付
- 2026-09-15
日立の送配電事業を担う日立エナジーは、ミシシッピ州ギャルマンに工場を新設する。同社の米国での単独投資として過去最大で、同社によると700人超の雇用を生む(州知事室の発表では新規雇用654人)。中小型の電力用変圧器を生産し、近隣のクリスタルスプリングス工場から生産を移管、生産能力は2倍超となる。米国での製造投資は総額約15億ドルに達する。
ポイント
M&Aではなく新規投資だが、日本資本を米国に向かわせる背景は共通している。データセンター向けの電力需要拡大と、送電網拡張のボトルネックとなっている変圧器の供給不足だ。
投資の内容
新工場はギャルマンのコピア郡工業団地内、約45エーカーの敷地に建設する。既存のクリスタルスプリングス工場から約6.5マイルの距離にある。2026年末に着工し、変圧器の生産開始は2029年を予定する。それまではクリスタルスプリングス工場が引き続き生産を担う。
日立エナジーによると、新工場の規模はクリスタルスプリングス工場の2倍超となる。同工場は小型電力用変圧器を生産し、従業員は約475人。新工場の稼働後は変圧器生産を移管し、旧工場は倉庫や研修などの支援業務に使う。米国内で生産する小型電力用変圧器の品ぞろえも広がるとしている。
雇用と優遇措置
雇用数は発表元によって異なる。日立エナジーは700人超としているが、ミシシッピ州のテート・リーブス知事の事務所と地元メディアは新規雇用を654人としている。
州は柔軟税制優遇制度(Flexible Tax Incentive)に加え、用地造成やインフラ整備で支援する。コピア郡も支援を行うが、優遇措置の金額は公表されていない。リーブス知事は2026年9月15日、ヒューストンで開かれたG20エネルギー関連閣僚会合の場で、トランプ政権の高官同席のもと計画を発表した。
米国での増産投資
ギャルマン工場は、日立が2025年9月に表明した10億ドル超の米国送配電機器製造投資に続くものだ。その柱はバージニア州サウスボストンでの4億5,700万ドルの大型電力用変圧器工場で、州は既存工場(従業員約670人)の隣接地に825人の雇用が生まれるとした。州は議会承認を条件に2,940万ドルの補助金も用意した。
新たな生産能力は、送電網の更新や新規電源、データセンター、電化に投資する電力会社などの需要に応えるものだという。同社は変圧器を送電網拡張の主要な供給制約の一つと位置づけている。
今後の注目点
2026年末の着工、州の優遇措置の詳細開示、2029年の生産開始に向けたクリスタルスプリングス工場の従業員の移行が焦点となる。
出典
Kakehashi M&A News トップ