買収 · 化学
ENEOS、米ヒューストンのブタジエン大手TPCグループを買収
- 買い手
- ENEOSホールディングス(東京)
- 対象
- TPCグループ(米テキサス州ヒューストン)
- 金額
- 取得価額約7億5,800万ドル(完了時のENEOS見込額。ネット有利子負債などの調整後に確定)。ブルームバーグは負債込みで約13億ドルと報道
- 状況
- 2026年10月26日(米国時間)に完了。TPCはENEOSの完全子会社となった。
- 日付
- 2026-08-07
ENEOSホールディングスは米国子会社を通じてTPCホールディングスを買収する合併契約を結んだ。傘下のTPCグループはヒューストンでC4化学品工場、テキサス州ポートネチェスとルイジアナ州レイクチャールズでターミナルを運営し、ブタジエンなどで北米有数のシェアを持つ。契約時は取得価額を公表しなかったが、2026年10月26日の完了時に約7億5,800万ドル(見込み)と明らかにした。ブルームバーグは負債込みで約12億8,000万ドルと報じていた。
ポイント
ENEOSはブタジエン生産能力で世界3位に浮上し、安価なシェール原料を使える米国拠点を得る。燃料から合成ゴムなど素材事業へ軸足を移す中期計画に沿う買収だ。
取引の内容
ENEOSの100%米子会社の下に設けた特別目的会社がTPCホールディングスと合併し、TPCをENEOSの子会社とする方式。合併契約は2026年8月7日に締結した。完了後、TPCはENEOSの高機能材事業セグメントの連結子会社となる。
米ザ・ディールによると、ENEOSの財務アドバイザーはSMBC日興証券とジェフリーズ、法務はフレッシュフィールズ。TPC側はモーリス・アンド・カンパニーが財務、ポール・ヘイスティングスが法務を担当した。
TPCグループについて
TPCはブタジエン、ラフィネート、1-ブテン、ポリブテンなど複数のC4製品で北米最大のシェアを持つとしている。主力はヒューストン工場で、2024年12月の粗C4処理能力の増強により同工場のブタジエン公称能力は年11億ポンドになったという。2019年11月の爆発事故で生産設備を失ったポートネチェスは、現在はターミナルとして稼働している。
TPCは2022年6月にデラウェア州で連邦破産法11条の適用を申請し、担保付社債の保有者が支える再建計画で9億5,000万ドル超の債務を削減して同年12月に手続きを終えた。それ以前はPEファンドのSKキャピタル・パートナーズとファースト・リザーブが保有していた。ENEOSとの合意時点の筆頭株主は持ち分40.5%のレッドウッド・キャピタル・マネジメント。
買収の狙い
ENEOSは本件を第4次中期経営計画の「ポートフォリオ再編」の一環と位置づけ、早期の収益貢献が見込める基盤事業と素材事業に経営資源を振り向ける。溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)などエラストマーの主原料であるブタジエンの基盤を強め、C4ケミカルから高機能エラストマーまでのサプライチェーンで供給力と市況変動への対応力を高めるとしている。
承認と日程
ENEOSは2026年10月26日(米国時間)に買収を完了した。特別目的会社がTPCホールディングスに吸収合併され(存続会社はTPC)、TPCの既存株式は現金と引き換えに消却された。取得価額は約7億5,800万ドルの見込みで、ネット有利子負債などの調整を経て確定する。TPCはENEOSマテリアルと連携し、高機能材事業セグメントに加わる。エド・ディニーン社長兼CEOは続投し、ENEOSグループから2人が経営陣に加わる。業績への影響は精査中としている。
出典
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